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取材記_岡本醤油

1932年に創業して以来、昔ながらの製法で醤油や味噌をつくり続ける「岡本醤油」。今日はそんな岡本醤油の醸造場を訪ねました。

 

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醸造場があるのは広島県豊田郡の離島、大崎上島。 垂水港でフェリーを降りると一面に美しい海が広がります。

 

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出迎えてくれたのは四代目の岡本さん兄弟。家族で力をあわせ、伝統的な醤油づくりを守っておられます。お二人に醤油づくりの工程をご説明いただきます。

 

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岡本醤油の醤油づくりでまず大切なのが、素材。うまみの元となる「大豆」、香りや甘味の元となる「小麦」、そして「塩」。この3つのシンプルな素材で、醤油の味が決まるのです。

 

岡本醤油では、大豆と小麦は広島県庄原産のものを使用しています。

 

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1の醤油の、大豆、小麦、塩の分量はこんな感じ

 

昔ながらの製法を守る岡本醤油では大豆を加工することなく使用していますが、大手醤油会社では脱脂加工大豆という油分を抜いた大豆を使っているそう。醤油を作るには工程の最後で油を抜く必要があるのですが、それを大豆の状態から油抜きしてしまっているのです。

 

短期間でうまみの強い醤油が出来ること、抜いた油を植物油やインクとして利用できるというメリットがありますが、その一方で油を抜く際に溶剤(ヘキサン)が使われること、産地を選べないため輸入品が多いというデメリットもあります。

 

岡本醤油が加工していない大豆を使うのは、安全性はもちろん、仕上がりが塩角が取れてまろやかな味になるからだそう。

 

f:id:gooden:20180523161113j:plain大豆を蒸す機械

 

蒸し機で大豆を蒸し、小麦は炒って砕いていきます。

 

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 完成した麹の写真を見せてもらいました

 

その二つを混ぜ合わせ、種麹(たねこうじ)を加えます。そこから麹部屋で三日間寝かせ、ぐんぐん麹菌を繁殖させます。

 

ここまでの仕込みの工程は、10月〜4月に行います。気温が高いと酵素を分解するスピードが速くなり、風味の良い醤油はできません。だから気温の低い冬にじっくりと時間をかけて仕込んでいくのです。 

 

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そうして出来た麹に塩水を混ぜ、杉の木の桶で諸味(もろみ)を作ります。諸味を発酵、熟成させるには、微生物(乳酸菌・酵母菌)の働きが必要不可欠です。

 

岡本さんによると、昔ながらの杉の桶や木の蔵には微生物が住みついていて、その個性が醤油の味わいの違いになっていくそう。面白い。

 

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 混ぜるとブクブクと音が。この時期は酵母菌が活発に動いているからだそう。

 

微生物の繁殖を助け、白カビが発生するのを防ぐために、3,600〜5,000の諸味(もろみ)が入っている樽を、竹の棒「櫂棒(かいぼう)」で30分かけて混ぜていく。この撹拌(かくはん)という作業は、5月〜8月は毎日、その後は様子を見ながら行なっていきます。

 

取材当時、撹拌が必要な樽は13個あったので、すべて混ぜるのにかかる時間は一日6時間半…すごい労力。

  

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圧搾機

 

1年〜3年熟成、発酵させた後、圧搾機を使い圧搾します。この時点で出来上がるのが「生しょうゆ」で、その他の醤油は火入れをして殺菌し、瓶に詰めて完成です。

 

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岡本醤油の醤油は、自然に逆らわず、四季の温度変化にあわせて作られています。

 

年中同じ温度、湿度を保ち、スイッチ一つで混ぜてくれる。そんな機械がある時代に、酵素の分解が遅い冬に仕込み、微生物が活発な春から夏に諸味を発酵、熟成させる。

 

その工程のすべてに人の手がかけられており、だからこそ、まろやかで優しい味の醤油になるのです。

 

当店では醤油の他、味噌、ポン酢、ふりかけなども取り扱っております。ぜひ一度お試し下さい。

 

 

〜おまけ 〜

取材後は岡本さんにオススメしていただいた「星と陽」さんでランチ。漁師の旦那さんが獲った新鮮なお魚を、岡本醤油の醤油と味噌でいただけます。

 

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